ギフテッドは大人になったらどんな感じ?特徴は?

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大人のギフテッド

子どものギフテッドについて、今まで色々とご紹介してきました。過去も随分生きづらそうだったけれど大人になったらこの子はどうなるのだろう?というのは親としては気になるところ。

大人になる前に親としてできることがないか調べるついでに、今回は大人のギフテッドについて調べてみました。

やはりギフテッドに関しては、国内より海外の文献の方が豊富です。それらに基づいて私なりの解釈でご紹介します。

まず、仮説としてギフテッド自体が生まれながらの特性なので、「大人になったらギフテッドではなくなる」ことはないのではないかなと思っていますが、実際どんな感じなのでしょう。

目次

大人のギフテッドの特徴

「Gifted Adults: Their Characteristics and Emotions」の著者 Annemarie Roeperによると、子供の頃と同じ特徴が生涯を通じて存在し、成長するにつれて多少変化するとのこと。

また著書の中で、ギフテッドの大人の典型的な特徴を挙げておりその中からいくつか抜粋し、今まで記事にしてきたギフテッドの子ども時代と比較しながらご紹介します。

他の人と異なり、より洗練され、グローバルな思想家

取り巻く世界の複雑な関係、パターンを理解することができる。ただし、想像力と創造性は一般的な人には理解できないことがよくあります。

子供のような感情を保持している

自己中心的で幼児的なアプローチにより、他の人と協力するのが非常に困難なことがある。著者は天才性と子供らしさの組み合わせの典型としてモーツァルトを挙げています。

ギフテッドの有名人としてよく挙げられるのモーツァルト。モーツァルトという人物は、幼少期から名曲をたくさん作曲している傍ら、子供じみた過去も明らかにされています。

自分の才能に動かされている

才能に突き動かされることが多く、創造性のプレッシャーに圧倒されることがあります。探究し、作曲し、執筆し、絵を描き、理論を展開し、教育し、研究をします。創造的なプロセスから大きな満足感を得るとしています。

以前読んだ「イェール大学人気講義 天才 ~その「隠れた習慣」を解き明かす」という本のフレーズ、0から何かを生み出すクリエイティブさであったり創造力こそが天才。と書かれていた点とつながると思いました。

強い感情を抱く

宇宙の美しさと驚異を理解する能力が高い。世界の豊かさを深く体験し、人間関係、自然、文学に美しさを見出します。

これはギフテッドのOE(過興奮症・過度激動)の特徴のことだと思います。強い感受性は、子ども時代だけではなく、大人になってからも続くとしています。

必ずしも人気があるわけではない

自分の興味を共有する人と関係を築きます。そのため、友達の輪が狭かったり、時には一人だけだったりすることもありますが、彼らの関係は深く、意味があります。中には、リーダーシップの資質を持ち、集団や国家にインスピレーションを与える人もいます。

驚くべき言語能力を持っている

知的議論をするのが大好き。他のギフテッドの大人とアイデア交換をすることを切望しています。

ギフテッドの言語能力が高いという特性は子ども時代の特性としてもよく言われます。

孤独、熟考、空想

自分の内面的な経験や自分自身を理解するために、静かな時間を必要とします。人類にとって重要なプロジェクトの多くは白昼夢から始まりました。しかし、現代の多忙な生活様式には、塾講する時間が組み込まれていないので、時間を確保する必要があります。

白昼夢は幼少期の特徴でも取り上げられていた項目です。

独自の学習方法

送迎するバスのルートを考える時、最短距離を取るよりも、交通量が少ない長いルートの方が実際には時間的に速いかも知れないということに気づいたりする。しかし、特殊な考え方は周りには理解されないことが多く、衝突してしまうこともあります。

子どもの頃から、ちょっと周りとは違うものの見方をしていたり、方法で取り組むといったことはよくあるのではないでしょうか。

問題意識を持っている

特別な問題意識を持っています。結果を予測したり、人間関係を見たり、起こりそうな問題を予見したりする能力を持っています。先回りをして解決策を見つけることによって、問題の予防にもつながる可能性があります。ただ、誰もその可能性を予想していなかったため、評価はされません。自分の内なる予測が当たることが多い。

この点は子どものころはあまり議論されていない点かもしれません。我が家のケースで言うと、小学生の頃から問題解決能力は高いと感じていました。ただ、先回りして問題を回避するということはあまり感じられませんでした。

リスクを取らない

何が危険にさらされているかをよく知っているため、リスクを取ることは他の人よりも難しい場合があります。

完璧主義

完璧主義は、他人からの期待だけではなく、自分自身の基準や期待という点においても完璧主義者です。
自分自身の期待を満たしたいという衝動があります。誰も周りは必要性を感じていなくてもできないと罪悪感、劣等感を伴うことがよくあります。

我が家の場合は、歳を重ねるごとに思春期くらいから強くなってきました。自分の失敗が「許せない」というような感情から自身に失望します。

多方面で多才である

多くの領域で能力が多すぎるという問題に直面することがよくある。例として、大学生の例を挙げています。ギフテッドの学生は優れた学習能力を持っており、いくつかの分野を並行して学び、離れた分野で複数の博士号を取得できる場合があるとしています。テレビを見る、チェスをする、勉強をするなどいくつかのことを同時に実行し、すべてうまくこなす能力を持っている人もいます。

ギフテッドのあるある?うちだけあるある?」にも書きましたが、テレビゲームをしながら、YouTubeを携帯で見て、ゲームの合間にピアノを弾き、ピアノを弾いている間は譜面台に携帯を置いてみながら練習をし、ご飯も食べる。これは多才といえますか…?

短絡的な他人の行動を理解しがたい

人生の多くの領域に渡って強い感情を抱いていることが多い。公私にわたる多くの行動の愚かさ、不公平さ、危険性がわかるため、一見矛盾した短絡的な他人の行動を理解するのが困難です。

ユーモアがある

最も顕著な特徴の一つは、微妙なジョーク、複雑なからかい、ダジャレで構成されることが多いユーモアのセンスです。人の面白い側面を見るには、複雑な思考が必要です。ユーモアのセンスは他人とは異なり、自分のジョークが理解されずに沈黙で受け止められることがよくあります。

「言葉のチョイスが面白い」というのは子どもの頃からよく言われていました。

権威者に対して

上司の決定をただ素直に受け入れることはありません。独立した思考者です。参加型のコミュニティで、また自分の態度や革新を受け入れてくれる人々とうまく機能します。

子どもの頃は学校の先生に対して挑戦的なタイプがいます。社会に出て会社勤めになった時は上司にも挑戦的になるのかもしれません。

強い道徳的信念を持つ

強い道徳的信念を持っており、多くの人が自分の特定の才能、洞察力、知識を「世界をよりよくするために」利用しています。世界情勢の複雑さ、パターン、相互関係を理解している、グローバルな思想家です。しかし、世界ではギフテッドに対する理解が不足しているため、ギフテッドが社会に役立つ潜在能力を十分に発揮できません。

以上いかがでしょうか。子どもの頃に見られる特徴に関しては以下に記載しています。

こう見ると子どもの頃のギフテッドの共通特性とは項目は若干異なるものの、すでに子供の時から持っている特性なのでやはり大人になってもギフテッドの特性自体は変わらず、規模が学校から職場、社会、世界へと変化している事がわかります。

「大人のギフテッド 高知能なのになぜ生きづらいのか?」

昨年、興味深い題名の本が出版されたので手に取ってみました。

その名も「大人のギフテッド 高知能なのになぜ生きづらいのか?

Amazonの評判は賛否両論ありますが、興味をそそる題名だったので読んでみました。実際読んでみた感想をお伝えしようと思います。

目次

第1章 ギフテッドとはどういう意味?
第2章 なぜギフテッドの大人に関心を抱くことが重要か?
第3章 子どもから大人へ…自己構築の難しさ
第4章 大人になってギフテッドであることに気づく
第5章 個性は思いがけない多様な面をもつ
第6章 ギフテッドの大人であることの難しさ
第7章 女性の側
第8章 カップル…似た者同士が一緒になる?
第9章 そしてうまくいっている人たちは?
第10章 うまくいくにはどうしたらいいのだろう?
第11章 すべてがうまくいかないとき
結論に代えて

幸せな大人になる子どものギフテッドの歩みとは

感想としては、正直なところ読みづらかったです。本を読むのは好きなので、分厚い本もすぐ読んでしまうのですが、この本は読むには読めるのですが理解するまでに時間がかかってしまいました…。

本の中で印象的だった箇所は、第9章の中にある「幸せな大人になる子どものギフテッドの歩み」という項目です。

その子の価値を認め、褒めて、励ますことの重要性を理解している愛情に満ちた家庭環境こそが大切としています。それらがギフテッド児が発達する上での糧となる。愛をたくさん注がれることが必要とのこと。

彼らは欠点を理解しているから思い上がることは決してない。もし自惚れているように見えたら自尊心からだとしています。

これは以前、カウンセリングを受けた時に、

「僕はすごいんだ、こんなこともできるんだ」と誇示していますが、それは自信のなさの現れな気がします。
自分の弱さや出来なさを本人はわかっています。

と言われた事がありました。

もし子どもにこう言われたら、私なら

どこがすごいの?あれもこれも出来ないじゃない

と言ってしまうと思います。

この本にもあるように、ギフテッドの子が大人になる前に必要なのものは安心できる言葉、愛をたくさん注がれる事ではないでしょうか。

まとめ

以上、大人のギフテッドについてご紹介しました。

大人になったからといってやはり特性は無くなるものでないことがわかりました。上記の本の、副題にもなっているように、大人になっても実際生きづらさを感じるのかもしれません。

社会にギフテッドの認知が広まること、周りが本人を理解してあげること、そして本人自身ができることを組み合わせて、生きづらさを感じない社会になればいいなと思います。

参考文献 
「Gifted Adults: Their Characteristics and Emotions」
大人のギフテッド 高知能なのになぜ生きづらいのか?」      

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