今回はピアノについてです。ヤマハのような大手音楽教室にするか個人のピアノ教室にするか。この2択で悩む時期は定期的にやってきます。
1度目は、「人生で初めて音楽やピアノを習い始める時」
2度目は、1度目の悩んだ時にヤマハ音楽教室を選択した場合、「ヤマハの幼児科修了後」、ヤマハの音楽教室のコースに進むか、個人のピアノ教室に移るか。
このタイミングで迷う方は多いと思います。我が家もその一人でした。
結局我が家はヤマハに年中から小1までの3年間お世話になり、その後転勤により、ヤマハがない地域への転勤(海外)だったため2年生の春から現在まで個人の先生に習ってきました。
今回は、ヤマハ幼児科修了直前の年長時にヤマハのコースに進むか、個人のピアノ教室に変わるか悩んだときの息子の個人のピアノ教室体験記を書いていこうと思います。
ヤマハ音楽教室の場合の進路はこちら☟
幼児科2年目修了時のレベルはどのくらい弾ける?
まず、幼児科を2年終えてどのくらい弾けるかについてです。
幼児科を終えた時点で弾ける曲は、ヤマハ幼児科のテキスト「ぷらいまりー④」に載っている曲です。幼児科ではみんなで足並みを揃えて1曲ずつ進めていきます。
レベルとしては、「両手で16小節くらいの短い曲を弾ける」くらいです。弾ける曲のレベルとしては高くはないと思いますが、2年間幼児科に通えば全員両手で16小節くらいの曲は弾けるようになります。
我が家は、年長さんの年末の面談で、幼児科の担任から「ジュニア専門コースを受けてみませんか?」とお声をかけていただきました。
しかし、このいつも通っている楽器店では今年は開校しないので電車で別の教室に通ってくださいとのこと。
ジュニア専門コースはどこでも開講しているわけではありません。下の子はまだ未就園児。この幼児科の一時間ですら一緒に連れていくのが大変だったので、まず家から近いほうがいいな、という理由で個人のピアノ教室を探しました。
家の近くの個人ピアノ教室の探し方
ピアノ教室をどうやって探せばいいのだろうと思ったときにまず皆さん使うのがインターネット検索でしょうか。我が家もインターネットを使ってピティナの「ピアノ教室紹介」のサイトで探しました。このサイトは住所や最寄り駅から検索できるので、家の近くのピアノ教室が検索できます。指導歴も載っているので大体の先生の世代もわかります。
個人のピアノ教室の選び方についてはこちら。
こちらのサイトも近くの教室が探せます🎵
ぷらいまりーのレベルはどのくらい
ヤマハ音楽教室の幼児科で使用している教材「ぷらいまりー」が終わったところで、個人のピアノ教室に移った場合、レベルとしてはどのくらいなのでしょう。ヤマハは独自のテキストを使用するため、「レベル感」を表すのが難しいのです。
幼児科を終えた時点で息子の場合、最初は「ぴあのどりーむ」から始まりました。ぴあのどりーむ①・②は初回の体験レッスンでちょっと弾いてみてと先生に言われた曲をその場で弾いてレベル感をみておられました。
そして結局息子の場合は、「ぴあのどりーむ1、2」は飛ばして「ぴあのどりーむ3」から始めることになりました。
つまりレベルとしてはヤマハ幼児科「ぷらいまりー4」まで終わったところで大体「ぴあのどりーむ3」くらいというレベルになります。
これは島村楽器のサイトにレベル別の楽譜が載っていたのでそれを参照すると、バイエルの上巻・下巻の移行期くらいのレベル感のようです。
なんとなくレベル感がわかりました。
個人ピアノ教室で言われたこと
ヤマハ出身の子が言われがちなこと、それは「譜読みができない」「手の形がなっていない」ということ。
実際にどうかというと、まさにこの2点を指摘されました。やっぱりそうなのかというのが本音。噂は本当でした。
弾けるのに楽譜が読めない
弾ける技術はあるけれど、楽譜が読めないから簡単な曲も譜読みにとても時間がかかるとのことでした。音楽を聞いてから弾くスタイルが染み付いているため譜読み力が技術に対してそこまで身についていませんでした。
ヘ音記号になるとさらに譜読みが遅くなるそうで、譜読みの練習をするために簡単な曲で譜読みの練習をした方が良いとのことでした。
手の形ができていない
やはり2年間エレクトーンでレッスンを受けていたので、手の形、姿勢、構え方などが全くできていないとのこと。
エレクトーンは椅子も高いので足はぶらぶら。手の形はレッスン中に一度も直されたことがなかったので、自分流の癖がついてしまっていました。
息子の場合は、バタバタして弾いてしまう癖がありました。
個人ピアノ教室のメリット
体験レッスンの後、ヤマハのジュニア専門コースと迷っている旨、短期間で辞めるかもしれない旨を伝えたうえで、グランドピアノが2台ある個人のピアノ教室に試しに通うことにしました。
その教室に決めた理由は、とにかく優しそうな先生とグランドピアノが2台あることに興奮した息子がここがいいと自分で決めました。ヤマハの幼児科も続けながらだったので3か月間は掛け持ちしていました。
①自分のペースで進めることができる
ヤマハと大きく違うのは、当然ですが個人のピアノ教室の場合はその子に合った教材と進度で進んでいきます。大体個人の教室の場合は、早く進めたい、ゆっくり進めたい、という要望にも応えてくれると思います。
レベル的には「ぴあのどりーむ3」からスタートしましたが、3ヶ月の間にソナチネアルバム1の中の、クレメンティの曲も弾けるようになったので、やはり個人レッスンの魅力としては、その子に合った進め方ができるところだと思います。
②演奏技術が身に付く
幼児科は2年間エレクトーンです。自宅も電子ピアノだったので、グランドピアノの鍵盤が重くてうまく弾けませんでした。手の形もヤマハでは一度も指導されなかったのでまずそこから修正していく必要がありました。これがなかなか大変で、手の甲に消しゴムをのせて落とさないように弾くといった練習方法を教えて頂きました。
弾き方の癖もついてしまっていたので、先生もせっかく弾けるのにもったいない、とおっしゃっていました。
こういった手の形など細かい指導までしてくれるのが個人レッスンの良さです。
③譜読み力がつく
幼児科2年を終えたところで、息子は譜読みができません。
ヤマハは聴いて弾く、という順なので、どうしても耳から先に音を取ってしまう癖がついていました。
ヤマハのHPにもちゃんと記載してあります。
幼児科では「楽譜に親しむこと」を優先に考えています。幼児科のレッスンは、聴いて歌って弾いたものを、最後に楽譜で確認することを基本としています。ただの記号として音符を読むのではなく、音読みや音符を指で追いながら、音楽と楽譜と一致させることを通して、楽しく「読む(見る)」ことへの興味付けをおこないます。楽譜が読めるようになるまでに少し時間はかかりますが、読譜力は着実に身についていきます。児童期に入ると、だんだん音と音符の関係を理解し、「自分で読んでみよう」という意思が芽生えてきます。
引用元 ヤマハHP
息子はしっかり、ちゃんと、この2年である意味ヤマハメソッドが身についたということになります。
中学生になった今も譜読みに苦戦しているので、もし、譜読み力をつけたいのであれば、最初から個人のピアノ教室のレッスンのほうがいいかもしれません。
耳で音をとるレベルで言うと、ベートーベンの「月光」やショパンの「幻想即興曲」といった有名どころから、ショパンのワルツ、エチュード等も全て耳で聞き込んで弾いてしまいます。そのため、楽譜はほとんどいらずいきなり暗譜で弾き始め、後で音が分かりづらいところを楽譜で確認する、という弾き方になっています。
ここまでこの方式でくると、弾ける曲と譜読みができる曲のギャップを埋められなくなってきています。これほどヤマハメソッドは後に良くも悪くも影響を及ぼすこともあります。
個人ピアノ教室のデメリット
①先生と相性が合わない可能性がある
先生によって教え方が様々なので、合わない!ということもあります。
体験レッスンがある教室もあるので、できれば体験をして実際のレッスンを受けてから通い始めるのをお勧めします。
実際に息子も、表現の仕方が抽象的すぎてわかりづらかったり、先生のやり方が決まっている先生とは合わず何度も体験レッスンをして先生を決めました。
②一度始めると辞めづらい
先生と仮に相性が悪かったとしても、一度始めると何かきっかけがないと辞めづらいのが個人レッスンのデメリットではないでしょうか。
万一合わない場合は、またゼロから先生探しをしなければなりません。
③仲間がいない、みんなでアンサンブルができない
基本マンツーマンのレッスンなので、発表会で連弾曲を弾かない限りは、誰かと合わせて弾くことはありません。息子はここの部分が、物足りなかったそうです。
ヤマハはグループレッスンがあります。お友達の演奏を聴くことも楽しかったようで、切磋琢磨する仲間がいないこともデメリットかもしれません。
両方習いたい!けどやっぱりヤマハ音楽教室に
3か月のレッスンで「ぴあのどりーむ3・4」を終えました。終盤の方ではソナチネアルバム1の曲も教えていただいたので、確かに続けたら技術も表現力も身につくだろうなとなんとなく想像がつきました。
そして気になる息子の感想ですが、
優しい先生だったからこっちも通いたいけど、ヤマハのほうがやっぱり通いたい!
とのことでした。
難しい曲を弾くのは楽しいしかっこいい曲を弾けたら嬉しいと言っていましたが、結局「みんなで演奏したい」という気持ちが強かったので、ヤマハのジュニア専門コースに進むことにしました。
のちに、この個人でお世話になった先生とヤマハジュニア専門コースでお世話になった先生は同期だったようでお知り合いだったということがわかり、色々と引き継いで頂きました。同じ地域で同業の場合先生同士がつながっていることも多いようです。
まとめ
3か月という短い期間ではありましたが、個人のピアノ教室に通ってみて良かったと思っています。
息子自身も当時のことは覚えており、いい先生だったよね。とたまに今でも言っています。ピアノを習うにあたり、やはり教え方が上手だったり、本人との相性の部分がとても大きいように思います。
もし個人のピアノ教室に移ろうか迷っておられる場合は、掛け持ちは親の負担もあり大変かもしれませんが、実際に通ってみてから考えるのもおすすめです。
なぜなら、ヤマハ音楽教室のシステムは一度やめてしまうと途中からコースに入ることが難しいので、後々やっぱりやめなければよかった!とならないよう、よく検討することをおすすめします。
ヤマハのジュニアコースも大体個人レッスンをつけることが可能です。弾く力をつけたい場合はヤマハで個人レッスンをプラスでつけてみるのも良いかもしれません。
結果我が家はヤマハ音楽教室の道に進みましたが、その子によっても合う合わないがあるため、やってみないとわかりません。ぜひ参考に、お子さんにとって最適な進路が決まりますように。