通信教育として有名な「Z会」と「進研ゼミ」。どちらも長い歴史と定評があり、中学受験の対策講座を設けている通信教育です。
今回は、様々な理由で塾に行かずに中学受験を考えているご家庭向けにどちらの教材が合っているかについてお伝えしていきます。
なぜ塾なしで中学受験をするのか
塾なしで中学受験を検討しているという方もいらっしゃると思います。一般的に塾に行かない理由の例としては以下のような理由が挙げられます。
・通塾が向いていない
・近くに塾がない
・親が教えられる
・自分で学習習慣ができている
・コストを抑えたい
・通塾の時間を抑えたい
・塾に行っても成績が上がらない
・自分のペースで学びたい
・受験をするかまだ迷っている
我が家も5年生の11月まで塾なしで中学受験勉強をしていました。我が家のケースはあまり参考にならないのですが、以下の記事にまとめています☟
塾なしで中学受験をした人の割合
中学受験を始める場合、一般的には3年生の2月から通塾する方が多いのではないでしょうか。
しかし、ひまわり教育研究センターが2022年に行ったアンケート調査によると、偏差値60以上の中学校に通う生徒150人のうち、31人(20.7%)が塾なしで中学受験をしたというデータもあります。
約2割の子が塾なしで中学受験をしたというのは意外と多いなという印象です。
上記の結果から塾なしでも中学受験が可能であることがわかります。
とはいえ、小学校の授業では扱わない内容や、深い思考力を求められる中学受験。公立小学校のテストで100点を取っているからといって志望校に合格するとは限りません。
そこで「塾へ通わず自宅で中学受験対策をしたい」という場合におすすめな教材が、通信教育です。
Z会と進研ゼミの違い
両社とも、通信教育としては大手。私自身も我が家の子どもたちも両社にはとてもお世話になりました。どちらも受講したことがあるからこそわかる違いをお伝えします。
今回は中学受験をするということを前提に比較していきます。
こんな人におすすめ
兄がZ会、妹が進研ゼミを受講していたのですが、2人の経験からまとめると両社には違いがあると感じました。
あくまでも主観になりますが、以下の通りです。
月額・合格実績の比較
Z会中学受験講座 | 進研ゼミ中学受験 | |
---|---|---|
月額※ (4年生) | 17,000円/月 | 7,480円/月 オプションのみ受講の場合 |
月額※ (5年生) | 21,080円/月 | 7,480円/月 オプションのみ受講の場合 |
月額※ (6年生) | 21,760円/月 | 7,480円/月 オプションのみ受講の場合 |
合格実績 | 開成中学校 31名 麻布中学校 16名 灘中学校 13名 桜蔭中学校 5名 その他の合格実績はこちら | 開成中学校 2名 麻布中学校 0名 灘中学校 1名 桜蔭中学校 1名 その他の合格実績はこちら |
学習時間 | 4年生 55分 5年生 105分 6年生後半 150分 動画試聴時間は含みません 詳しくみる | 約60分 |
志望校対策講座 | 6年生向け3カ月完成の短期集中講座 | なし |
公式サイト | Z会 公式HP | 進研ゼミ 公式HP |
共通点としては、Z会も進研ゼミも紙とタブレットを使用して学習を進めるところです。
両社とも、タブレットで録画済みの解説授業を視聴しながら、紙のテキストで問題を解くというスタイルです。
Z会の方が、問題の難易度は難しいと思います。スピード感も早く、大手塾の四谷大塚のカリキュラムよりも単元によっては早く履修することもあります。一方、進研ゼミは、比較的ゆっくりの進度です。
Z会 中学受験コースの特徴
上記の緑のボタンから、実際の教材を今すぐ試すことができます。
Z会中学受験コースの最大の特徴は、やはり難関校合格の実績だと思います。これらの問題を理解し、解けるようになれば塾なしで合格は可能だと思います。それくらい教材はとても考えて作られています。
通信教材だけで中学受験に臨む際に、よくある不安、質問を公式サイトのQ & A より抜粋します。
- 中学受験コースは難しいですか?子どもが一人でも取り組めますか?
-
中学受験コースはまだ習っていない単元や中学入試特有の難しい問題に取り組んでいきますが、詳しい「要点」と「映像授業」で塾の授業を受けるように学習できますので、お子様ひとりでも取り組めます。
「トータル指導プラン」は教材でわからない問題があった時はタブレットからZ会に都度ご質問ができます。
- 中学受験コースの対象校を志望しています。Z会の受講だけで大丈夫でしょうか?
-
大丈夫です。
中学受験コースの教材は、対象校の入試問題を解くために共通する学習内容を精選して取り上げていますので、まずはZ会の教材を学習サイクルの基本としてください。また、お子さまの不得意分野の克服や理解定着のための反復練習、志望校の入試傾向に対応するための過去問演習などを加えていただくことで、より効果的な学習を進めることができます。
Z会中学受験コースに関しては、こちらの記事に詳しくカリキュラムなども載せています☟
進研ゼミ 考える力・プラス中学受験講座の特徴
進研ゼミの最大の特徴は、コスパがいいところだと思います。この値段で4教科の中学受験対策ができる教材は他にはありません。
ただし、合格実績の中には難関校に合格した方もいらっしゃるようですが、学校別の対策が別途必要であると記載があります。難関校を目指す場合はプラスαで対策が必要です。
また、偏差値はSAPIX、四谷大塚、日能研、首都圏模試それぞれの模試によって学校の偏差値表記は異なります。進研ゼミの中学受験講座で目指せる学校の偏差値については、首都圏模試の偏差値を基準として55〜65と記載があります。首都圏模試は他の模試に比べて、偏差値が高く出ていますので、偏差値については別途要確認してみてください。
下記のQ & Aは公式サイトからの抜粋となります。
- どのくらいの偏差値の中学をめざせる講座ですか?
-
偏差値55~65の私立・国立中学校が目安です。教材をきちんとご活用いただくことで合格をめざせる講座です。
中学の偏差値(入りやすさ)にかかわらず求められる「知識」や「考え方」を習得できる講座ですが、入試直前期には学校別の過去問対策など別途必要になります。
- 過去問対策などは、塾など他の対策方法を選択された場合でも必要になります。
- 首都圏模試の偏差値を基準にしています。
- 小4~6のオプション教材「考える力・プラス 中学受験講座」とはどのような講座ですか?
-
ご家庭で中学受験の合格に必要な「受験基礎」「実戦力」といった力を伸ばします。
1日約60分と短時間で効率的に活用することができるため、受験をするか迷っているかた、習い事などで勉強時間がとりづらいかたなど、不安をお持ちの方にも、無理なくご受講いただける講座です。
「進研ゼミ 小学講座」を受講されていないかたでもご利用いただけます。「チャレンジ」は1日約20分、「考える力・プラス 中学受験講座」は1日約60分の設計なので、両講座合わせても塾通いよりは負担は軽く、両立受講可能です。
中学受験するならどっちがおすすめ?
どちらも通信教育としては甲乙つけがたい「進研ゼミ」と「Z会」
異なるのは教材の難易度が大きく異なります。
個人的な感想としては、御三家などの最難関校を目指す場合、どちらか二択であるなら「Z会」一通りだと思います。ただ、見てわかるように、学習時間が学年が上がるにつれてとても長くなってきます。1人で自宅で他の誘惑に負けず全てをこなすにはかなりの精神力が必要なのは間違いありません。
また、問題数はさほど多くはないのですが、一問一問が難問であることが多く、時間だけが経ってしまうということも。タブレットから質問ができるようになっているので、文字で質問をすることは可能です。
しかし、通塾しないにしろオンライン家庭教師マナリンクのような家庭教師をお願いしておくなどサポート体制があるとより合格に近づくと思います。
一方、「進研ゼミ」は標準レベルの問題を中心に扱っているため、中堅校を目指していたり、日々の学習の補強をしたい場合などは進研ゼミの中学受験講座がおすすめです。
いずれにせよ、お試し教材を請求することができるので、お子さんに合ったものを選ぶのが良いと思います。お子さんと一緒に解きながら、一番合ったものを選びましょう。