ギフテッドであると学校や担任の先生には伝えるべき?学校への伝え方

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学校との関係
合理的配慮が義務付けられたがギフテッドであると学校や担任の先生には伝えるべき?

保護者側としては「うちの子は天才です」と伝えたいわけではありません。

「こんなことに困っているので配慮をしてほしい」と伝えることが目的だったので、我が家の場合は「ギフテッド」や「ギフテッド2E」という言葉を使いませんでした。

知能検査、WISC検査をして高IQだった場合、学校や担任の先生に伝えるべきかどうかお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、知能検査をし、ギフテッドもしくはギフテッド2Eであるとわかったのちに、学校との関わり方について実際に我が家が取り組んだ事をご紹介します

※ 注「Q&Aのカテゴリーについて」

こちらの「ギフテッド児のお悩み別Q&A」のカテゴリーでは、実体験に基づいた筆者なりの考えをまとめています。
今まで、数々の医療機関・専門機関を受診して受けたアドバイスや、専門書に基づいて実際にやってみてうまくいったこと、いかなかったことについて記載しています。
ギフテッド児もさまざまなタイプがいるため、その子によっては効果がない場合もございます。その旨ご理解の上、参考にしていただければ幸いです。

目次

学校嫌いになるまでの息子の経緯

1年生の頃は毎日学校が楽しくて毎日特に不満も言わず通っていました。
2年生で海外の日本人学校に転校したのですが、2年生の担任とうまくいかず学校が楽しくないと言うようになりました。
学校からもしょっちゅう電話がかかってくるようになり、本人に聞くと先生に怒られてばかりとのこと。
親としてはそれでも、慣れればなんとかなるだろうとあまり重く受け止めずに通わせていました。

そして3年生になり、担任の先生が変わっても同じく注意されるばかりで、クラスメイトからも「いつも怒られている奴」とレッテルを貼られついに「学校を辞めたい」と泣きながら訴えてきました。

学校生活の中で自分の理解者がいない状況に長時間さらされ、本人はとてもストレスを感じ、徐々に自己肯定感も下がっていました。

「何か発達に問題があるのかもしれない」と思い、発達クリニックを受診します。
WISC−Ⅳを受け、高IQかつ凸凹がある2Eタイプであることが判明します。

「ギフテッド」という解釈の違い

日本でもだいぶ「ギフテッド」という言葉自体は周知されてきましたが、日本では定義がはっきりしていません
文部科学省でも「特異な才能」という表現の仕方ではありますが、教育現場でも取り組みが始まりました。あえて、「特異な才能」という単語を使う意味は、ギフテッドと言ってしまうと、「天才」「何でもできる才能がある子」などその人にとって受け止め方がさまざまだからだそう。

我が家が面談で先生によく言われたのは、以下のような内容です。

・授業中妨げになる発言をする
・集中していない
・椅子をゆらゆらしている
・後ろを向いて喋っている
・連絡帳を書かない
・字が汚い
・人に傷つく言葉を言う

このように、学校生活の中では「問題児」と扱われていました。そんな先生に対して「うちの子はギフテッドです」と言ったところで、おそらく理解はされないでしょう。

また、保護者側としては、「天才です」と伝えたいわけではなく、「こんなことに困っている、こんな配慮をしてほしい」と伝えることが目的だったので、我が家の場合は「ギフテッド」や「ギフテッド2E」という言葉を使いませんでした。

合理的配慮とは

2016年より、公立学校では義務化されていましたが、2024年4月の法改正で、これまで努力義務だった私立学校や民間事業などの塾も義務づけされます。

合理的配慮とは、学校に「特別扱い」をしてもらうこととは異なり、障がいや困りごとのある人が平等に教育や社会生活においての権利を保障するためのものとなります。

配慮の内容は、個別に異なるため、個々に調整する必要がありますが、学校や教育現場にとってあまりに過度の負担にならないように留意する必要があります。

我が家の場合

事前に特性を知っておいてもらうのは本人にとって理解者になってもらうためです。
下記は息子場合の一例です。

  • 得意な事と不得意な事に非常に大きな差がある
  • 授業中、暇だと感じるとよくない方向にいってしまうので、算数などはプラスでプリントを与えるなどの対応が必要であること
  • 理解をするまでの時間が短いのでみんなと同じペースが退屈だと感じてしまい、結果多動になったり喋ったりしてしまう
  • 興味のあることや好きなことは集中力があるが、本人が興味のないことは雑に仕上げたりすることが多いこと
  • 整理整頓に関しては、片付けることの意味がわかっていないので苦手であること
  • 喜び、怒り、悲しみ、感動など全ての感情が人よりも大きく揺れること
  • 先生との信頼関係次第で変わること。指示通りにやろうとしないときは、効率よく動きたいなどの理由があることが多いということ
  • 計画的に進めたり、時間の管理が苦手なこと
  • 自尊心を傷つけないよう注意するときはみんなの前で大きな声で注意するのではなく、机をトントンと叩いて気づかせるような配慮をしてほしいこと(これは本人の希望)
  • とにかく好奇心が旺盛なので色んなことに気がいってしまうので、視野から入る情報は必要最低限にしないと集中できないこと(席は出来るだけ前のほうにするなど)

特性だけを伝えるのではなく、具体的に「こういった支援をお願いしたい」と伝えることがポイントです。
支援方法はその子によって異なると思いますので、上記はあくまでも我が家の例となります。

先生との関係次第で学校に通いやすくなるかがかかっているので、問題が起きたり関係が悪くなる前に伝えることが重要です。

①困りごとを伝える 
(例 書字障害があります)
②こんなことが起きます
(例 ノートの字が汚くなります)
③先生にお願いしたいこと
(例 字が多少汚くても大目にみてほしい 板書を減らしてほしい)
④支援方法として効果的なことを伝える
(例 漢字練習はシールやポイント制でゲーム感覚にするなど)

面談をしてきて、嫌がられる先生はいらっしゃいませんでした。
おそらく、先生側もどうしていいかわからないので、「こうしてほしい」と伝えることで協力的に指導してくださいました。決して特別扱いをお願いしているわけではないので、こちらの困りごとを伝えると同時に、学校としてどこまでできるか、というのを伺った上で配慮の仕方を決めていきました。

ある学校では、「プラスのプリントを渡すことはできない」とはっきり言われた学校もありました。周りと差をつけられないから、との理由でした。そういう時は、自宅なり習い事等で、「学びたい」という本人の意欲を解消していました。

心理士さん曰く

ギフテッド児は、「勉強がわかるから支援は必要ない」のではなく、「勉強面は本人にとって学びがあるような環境を与える必要があり、苦手な社会性の部分は周りの理解と支援が必要な子達である」ので、先手を打って先生には話しておく必要があります。

とのことでした。

新たな日本の教育の動きとして、2021年11月には文部科学省の有識者会議が行われました。やはりどのギフテッド児も、優れた才能や探求心を持ちながらも、学校生活で困難を抱えている子が多いようです。

学校ができるサポートの例

多方面でのサポートが必要である旨を伝える必要があるのですが、具体的に我が家が効果的だったサポート例です。

授業のペースが遅すぎて先に進めたくなる→課題を与えてもらう

算数の例を挙げると、みんな一斉に解く問題などは時間が余ってしまいます。その結果、シーソー(椅子を揺らす)をしてみたり、しゃべってみたりと多動症状がでることがあります。
学校にもよるのですが、ある学校は算数はチャレンジ問題のプリントを用意してくださいました。プリントも難易度別に3パターンくらい用意してくださる先生もいました。

得意なピアノで少しずつ認めてもらえるように

「いつも怒られているどうしようもない奴」と思われていた頃、自己肯定感はとても低くなっていました。女の子のお母さんから「○○くん、いつも怒られてるらしいね」と私自身も言われることもよくありました。
そんなとき、学校内で応募制のコンサートがあり、自分で応募し全校生徒の前で耳コピピアノを披露したことがありました。耳コピを弾いて以来、ピアノに関しては一目置かれるようになりました。
校内で合唱や合奏の伴奏があれば積極的に立候補します。
得意なことを発揮できる場があると、少しずつ周りの友達が興味を持って寄ってきてくれたり、人間関係を築くきっかけになることもありました

友達とのトラブル→まずは話を聞いて共感→指導の順で

とにかく何事にも情熱的であり、感情の激しさがあるとされているギフテッドですが、友人関係でも見られます。

感情的に高ぶっているときは何を言っても理解できない状態なので、明らかに悪いときもまずは本人の言い分や話を聞いて共感をし、そのあとで諭してほしいと担任の先生には伝えました。

3年生の担任は、学校でトラブルがあり話し合いの場を持たれると
「○○くんがしたのではないですか?」「こうなんじゃないですか?」「こうでしたよね?」
といったような聞き方をしてくるので、息子は最初は違う!と思っていても、段々そうかもしれないと洗脳され最終的に謝るように促されてしまうというようなことを言っていました。

ギフテッドの子は、大半の人とは違うものさしで物事を見ているので、話をよく聞かないと本意までなかなかこちらも理解ができません。頭ごなしに叱るのではなく、まずは話を聞いてしてほしいと伝えました

日々の宿題

ギフテッド児にとって「計算ドリル1ページ、漢字ドリル1ページ」のように出される宿題が負担になることがあります。
自分にとって「簡単すぎる問題」を毎日やることにとてもストレスを感じます。
「毎日1ページずつ」というのも意味がないと感じてしまうため、息子は新学期に新しいドリルをもらったらその学期分をまとめて一気に終わらせてしまい、日々の提出を免除してもらいました

これは5、6年生の担任の先生だったのですが、5年生という時期に転入したにも関わらず、短期間で信頼関係を息子と築き、最後まで真正面から向き合ってくださる先生でした。

まとめ

以上、我が家の学校との関わり方についてお伝えしました。

我が家の場合は、学校や先生には直接的にギフテッドであるということを伝えるよりは、具体的な困り事や支援方法を伝えるようにしてきました

学校とは都度連携をとってきましたが、それでも息子はクラスでの自分の立ち位置などがいたたまれなくなったようで「もうこの学校で学ぶことはないから学校を辞める」と言い、我が家は3年生を終えた時点で学校を変えたこともあります。
このように学校側と調整を試みても、結局うまく作用しない場合もあります。

そんな時は、「学校」という枠に縛られず色々な選択肢を考えてみるのも良いと思います。
日本もだいぶ選択肢が広がっていると感じています。無理やり学校に行かせるよりも、その子にとっての居場所の確保をしてあげることが第一優先だと思います。

我が家は当時海外に住んでいたため、インターナショナルスクールへ移るという選択をしました。
その時の様子はこちら☟

また、通信教育で条件を満たせば、出席扱いになるといったサービスもあります。

選択肢はこちらの記事にまとめていますが、通信教育で出席扱いになる教材を一部ご紹介します。

新型コロナウィルス感染症の影響もあり、一気にオンラインでの学習環境が整いました。必ずしも毎日学校に行くというのが選択肢ではなくなってきています。お子様や家族のライフスタイルに合った学びを選択するのも一つだと思います。

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