
発達特性があったり、ギフテッド2Eの場合はどんな中学校が合うの?
私立の中学校もたくさんあって何を基準に選べばいいのかわからない。
ギフテッド2Eや発達障害のお子さんにとって、「環境選び」はとても重要です。
同じ偏差値帯でも、自由型 or 管理型、男子校 or 女子校 or 共学で学校生活は大きく変わります。
この記事では、発達特性に合った学校選びのポイントをわが家の実例も交えて解説します。
中学受験のカテゴリーについて
我が家は何学年も先の算数先取りしているような算数が得意なギフテッドでもなければ、英才型のギフテッドではありません。
知能検査で言語理解が高いからといって国語が得意なわけではありません。
あらかじめお伝えしておくと、せっかく読んで頂いても、偏差値30からの御三家合格!とか、これをやったら難関校に受かります!といったノウハウは一切得られませんのでご了承ください。
合う学校ってどんな学校?
結論から申し上げると、発達障害や特性にもいろんなタイプがあるように、どんな学校が合うかはその子によって異なります。つまり一概に「こんな発達特性があるから〇〇型がいい」というのは言えないような気がします。
まず、お子さんの特性をよく理解することが大切です。理解した上で、その子に合っている環境を考えたときに初めて、どんな学校が良いのか見えてくると思います。
大事なことは、偏差値だけにとらわれず、そして中学校に受かることをゴールとするのではなく、その先の未来を想像しながら選ぶことだと思います。
注意点としては、説明会や体験授業なども参加し、学校のことはわかって入学したつもりでも、実際通ってみてやっぱり合わなかったというケースもゼロではありません。私立中学校にも不登校のお子さんはいます。
正直、友人関係、先生との相性、電車での通学など「通ってみないとわからない」というのが本当のところだと思います。その場合は、「せっかく受験したのに」と思う気持ちもわかりますが、柔軟な対応が必要となることもあらかじめ頭の片隅に置いておく必要があります。
前置きが長くなりましたが、受験するのであれば「志望校」を決め、合格後は通う学校を1校決めなければなりません。では何を基準に学校選びをしていくと良いのでしょう。「発達凸凹特性あり2Eタイプ」のわが家の中学校選びについて参考までにお伝えします。
転校の体験から見えてきたわが家の選び方
わが家は数回の転校経験があります。過去に通った学校すべてを振り返る中で、息子が最も居心地良かった学校として挙げたのは「インターナショナルスクール」でした。以下、息子本人との会話で出たポイントです。
この体験から、学校選びで私たちが重視したのは「学びの本質」「個性を尊重する校風」でした。
意外と息子の場合は「校則が緩い」といった自由な点や、厳しくない点は求めていないことがわかりました。
また、制服の有無や男女共学かどうかといったところも「そんなことはどうでもいい」とのことでした。また、「偏差値」についてもこの頃はさほど興味がありませんでした。
それよりも、「学びがある環境か」「自分のやりたいことができる環境か」「周りに高め合える友達がいるか」といったことが大事なようでした。
また、インターナショナルスクールのように授業が一方通行ではなく探究型だったり、掲げている教育方針がおもしろそうだな、と思える学校や、当時熱中していたスポーツができる学校かどうか、クラブ活動の実績なども比較検討の対象としました。
親として「こういう学校に行かせたい」という強い思いは特になく、あくまでも本人が通いたいという気持ちを尊重するようにしていました。
発達特性云々よりも、結局のところは本人の意思、気持ちが最も大事だと思います。
学校の種類
男子校?女子校?共学?
公立中学校のほとんどが共学であるのに対し、私立中学校は、男子校・女子校・共学の3タイプあります。
息子は、「どっちでもいい」という感じだったので、あまりこだわらず、男子校か共学それぞれどんな特徴があるか調べました。
男子校のメリットとしてよく言われるのは、
共学のメリットとしては
女子校のメリットとしては以下のような点があります。
これらを踏まえて、更に学校ごとの教育理念や特色を調べていきました。
付属校 or 進学校
「付属校」とは、大学までエスカレーターで進学できる学校のことです。付属校のメリット、デメリットについては以下のような点が挙げられます。
次に、進学校についてです。「進学校」とは、大学受験を前提にした学校のことです。カリキュラムも受験に直結したカリキュラムになっており、進度が早いのが特徴です。進学校のメリット、デメリットについては以下のような点が挙げられます。
このように、好きなことに時間を割きたいお子さんや、学校外の課外活動(例えば、サッカーのユースチームなど)に力を入れたい場合は、付属の方が向いているかもしれません。
一方、テストで結果を出すことで達成感を得られたり、順位などがモチベーションになるお子さんの場合は、進学校の方が向いているかもしれません。
息子の場合ですが、付属校の話をすると、



付属に行くともう大学まで決まってしまうの?そんな選択肢を狭めることはしたくない。学校は勉強したいからみんなが勉強している環境に身を置きたい。
とのこと。
付属といってもほぼ大学に上がる学校もあれば、付属と名前についていても受験を勧める学校もあります。わが家の場合は、本人の意思を尊重し、学校として大学受験のサポートをしていない付属中学校は選択肢から外しました。
学校として他大学受験をサポートしてくれるかどうかは学校説明会に参加するとわかると思います。某付属中ははっきりと「他大学受験する子は少ないです。学校の勉強だけでは他大学の受験は難しい。他大学受験のためのサポートはありません。」とはっきりおっしゃっている学校もありました。
教育について
私立中学校の場合、どの学校も教育理念を持っています。校長先生のお話や、学校が掲げる校訓などを見ると校風もわかってきます。
発達凸凹特性や2Eのタイプの学校選びという視点で、教育に関して注目すべき点をいくつかご紹介します。
ICT教育
ICTとは、Information and Communication Technologyの頭文字をとったもので、情報通信技術のことです。
書字障害や板書が苦手な子の場合、従来の先生が黒板を使って生徒が板書をするスタイルの学校は苦痛に感じることがあります。
息子はまさに苦手なタイプだったので、普段の授業にICTを利用しているかどうかは重要でした。
学校によって、各教室にスライドがある学校、ない学校、様々でした。
ランキングになっているこちらのサイトは、私自身とても参考になりました。


グローバル教育
わが家の場合は、グローバル教育の観点も重視しました。伝統校といわれている学校は、帰国生受験を行なっていない学校が多く、やはり帰国生を受け入れている学校に比べると、グローバル教育には力を入れていない学校が多い印象でした。
英語をレベル別で分けて授業をしたり、ネイティブの授業があったり、英語の授業が本人にとって学びがある学校かどうかという点も選ぶポイントでした。
ギフテッドのお子さんの中には、海外大学を見据えておられる方もいらっしゃるかと思います。
「海外大学に強い学校」は実際にあります。
海外大学に強い学校は、合格・進学実績を見れば一目瞭然ですが、IB(国際バカロレア)を導入している学校やSAT対策・TOEFL対策を授業に取り入れている学校は強い学校と言えるでしょう。
例を挙げると、帰国生を多く受け入れていることで有名な広尾学園は、海外大学へのサポートはとても手厚いと言えます。
そうでない場合、なかなかノウハウを持っておらず、自分で調べたり負担が大きくなる可能性があります。6年先のことも見据えて、学校のサポートがあるかどうかも調べておきましょう。


理科
研究や実験が好きなお子さんも多いのではないでしょうか。私立中学校は実験設備や理科室が従実している学校が多くあります。実験器具も、公立にはない装置があるとか。
学校見学の際、息子がよく見ていたのは「学食」と「理科室」でした。理数系の授業は学校によって特徴が出ます。
以下のランキングによると、男子校の方が理数教育は盛んかと思っていましたが、女子校も多くランクインしています。
女子校のいいところは、「男の子だから理系、女の子だから文系」といったラベリングがなくなり、女の子でも好きなことを探求できるところです。女の子のギフテッドで、理数系が得意なお子さんは参考にしてみてください。
幅広い分野の教養
机上での学習だけではなく、学校行事からも学ぶ機会が多い学校というのもポイントでした。
学校によって、行事も異なります。学校案内を見ると年間の行事が載っていると思うので、私立ならではの拡充した学びも選ぶ時の参考にすると良いと思います。


その他注目すべき点
設備・施設
公立と大きく異なることの一つが設備や施設。これらが充実しているのも私立の魅力の一つではないでしょうか。
ただし、その子の興味関心のあることができる環境であるかどうかがとても大事になります。
先ほどの理科室もそうですが、部活で使える体育館、グラウンドなども重要です。
都心になればなるほど、敷地も狭くなります。十分な設備があるかどうかも見ておきましょう。
学食、カフェテリアに関しては、私立だからといって必ずしもあるとは限りません。購買部や簡易的な自販機のみの学校もあります。


部活動
本人がやりたい部活がその学校にあるかどうかです。
息子の場合、近所の公立中学校にないことがわかっていたので、それも中学受験をする大きな理由の一つでした。
例えば、ラグビー部に入りたいのに、グラウンドも部活もない、という場合はいくら他の設備が整っていても意味がありません。
ダンス部、弓道部、フェンシング部、ワンダーフォーゲル部、チアリーディング部、合気道部、新体操部など私立には変わった部活動があることも特徴です。
制服
感覚が過敏であったり、堅苦しい服が苦手な場合は、制服がない学校を選ぶこともできます。通学鞄ひとつとっても、指定の学校もあれば自由な学校もあります。
校則に縛られたくない場合は、指定のない学校を選ぶのもよいでしょう。
自由型か管理型か
さて表題にもしましたが、学校は大きく「自由型」と「管理型」に分けることがあります。自由型か管理型か迷われている方も多いのではないでしょうか。
この分類分け自体、曖昧なのですが、学習面での管理なのか、生活面での管理なのか、によっても捉え方が異なると思います。
たまに学校説明会に参加すると「面倒見が良い」とか「フォローが手厚い」というような表現をされる学校がありますが、それはおそらく学習面でいわゆる「管理型」の学校だと思って良いと思います。
具体的には、
・点数が悪いと追試や補習がある
・成績や順位が出され、校内に張り出す
・学内に塾や外部講師を用意している
・長期休みに講習がある
・部活より勉強を優先
中堅校や、大学の実績を上げようと力を入れている新興校はこのタイプが多いような印象です。
一方、渋谷教育学園(渋渋)のように「自調自考」を学校の方針として挙げている学校もあります。渋渋は偏差値帯としては超難関校ですが、学習面も生活面も自由な学校として有名です。
その他、「自由型」とされている学校は、男子の御三家をはじめ、ほとんどが伝統あるトップレベルの学校が挙げられます。
「自由型」の学校に行けば周りの友達も「型にはまらない子」が多くいることになります。自分を律することができて、かつ自由型が良い子には良いと思います。
「自由型」「管理型」に関しては人によって感じ方が違ったり、時代と共に学校側も変化してきているので、一概にこの学校が「自由型」「管理型」と棲み分けをするのは難しいのですが、なんとなく世間一般的に言われている学校をいくつか挙げてみました。
わが家は、本人が自由型か管理型かについては特に希望がなかったので、志望校選びの際は全く意識しませんでした。何を重視するかはその子によると思います。
学校説明会では教えてくれないこと
そして周りでよく耳にするのが、中高一貫校であっても出席日数が足りなかったり、成績不振で高校に上がれないケースです。
私立の場合、各学校において欠席日数や成績などで規定を設けている場合があります。中高一貫校だからと油断していると、条件を満たさない場合は、高校に上がれない。ということも出てくるので注意が必要です。
私立中学校は確かに魅力もたくさんあります。しかし実際に入学してからでないと分からないこともあります。
noteでは「私立中学校の中」についてまとめています。実際のところどうなのか、学校説明会では絶対に説明のない部分を含め書いています。
主観も含むため非公開有料記事としています。私立中学の中を知りたい方に届きますように。


まとめ
発達凸凹や発達特性のある2Eの子たちは何のために中学受験をするのか?というところに戻るのですが、やはり第一は、「環境調整のため」ではないでしょうか。
一人一人、合う環境は異なります。偏差値や進学先だけを見るのではなく、「6年間充実した生活が送れる環境かどうか」「その先に、目標があるか」を基準に見ていくと自ずと合う学校が見えてくるでしょう。
「合った学校」というのは、一人一人異なると思います。お子さんとどんな学校がいいか、よく話し合われると良いと思います。
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