【5歳】ギフテッド児の成長記録 過興奮と才能が表れる瞬間

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ギフテッド5歳特徴

年長さんになると、子どもは小学校入学を控え、心も体も大きく成長します。ギフテッド児の場合、感情や知覚、興味対象の広がりや、年齢に比べて飛び抜けた知的能力を発揮することもあり、周囲との差がますます目立つ時期です。息子にも、この年齢で「過興奮性(OE)」と呼ばれるギフテッド特有の特徴が明確になってきました。

この記事では、息子の5歳時点で見られた特徴・困りごと・親としての工夫について記します。

過興奮性についてはこちら

目次

【実例】5歳ギフテッド児の特徴

感情の起伏が激しくなる

最も印象的な事は、感情の起伏が激しくなってきたということです。もしかしたら発達障害かな?と思い始めたのもこの頃です。

だんだんお友達とうまくいかないと喧嘩になることも増えました。一方、感動すると涙を流したりと、とにかく喜怒哀楽が激しい子だなと思っていました。さっきまで、ものすごい剣幕で怒っていたのに、嬉しいことがあると飛び跳ねるくらい喜んでいるというように全身で感情を表現していました。

それがギフテッドの特徴、過興奮性(OE=Overexcitabilities)だったと私が気づいたのはそれから数年後。ギフテッドの特徴について知った時でした。5歳はこの過興奮性が色々顕著になってきた一年でした。

ギフテッドの特徴過興奮性

ギフテッドの特性として、5つの過興奮性:Overexcitability(略してOE)という特徴があります。「過度激動」と言われることもありますが、当サイトでは過興奮性(OE)という言葉を使用しています。

この5つの過興奮性はギフテッドかどうか判断する材料の一つにもなるとされています

なんかオーバーリアクションだな、そんなことでそこまで怒る?そこまで喜ぶ?などなんとなく自分とは受け止め方が違うな、と感じていました。

知的一般に広く知られているギフテッドの特徴。
好奇心、鋭い質問、集中力、問題解決力、論理的思考など。
想像隠喩などの表現に優れる。想像力が豊かなため、複雑な構想を思い描くのが好き。
一方、注意力散漫と見られこともある。いわゆる枠にとらわれない独創的な考え方。
感情感情の種類と幅が大きく「ドラマチック」な反応を示す。
より楽しみ、より悲しみ、より腹立ち、より驚き、より恐れ、より共感するため大げさだと批判されることも多い。
感情のOEは親が気付きやすい。
精神運動精神運動のOEのある子は非常にエネルギッシュで活発。エネルギーが有り余っているため、一般的に「落ち着きがなく頭の回転が速い」印象を与えるもの。身体的多動だけでなく、話すスピードが速い、頭が働いて眠れない、という精神的多動を示す。
知覚「神経質」という言葉で表される性質で、まぶしい光、大きい音、匂い、触感など感覚器官に与えられた刺激に過剰に反応する。靴下の縫い目や服のラベルが気持ち悪いなど。鋭い感性は、幼少の頃から絶景に息を呑み、名曲に涙を流すといった美的感覚にも通ずる。
参照 Overexcitability and the Gifted (Lind, 2001)

ギフテッドの特徴についてはこちらに詳しく書いています⇩

人生初の虹をみて涙をする

旅行先で人生初の虹を見たのですが、感動して涙を流したことがありました。

5歳の子が虹を見て涙をするものなのかと驚いたのですが、これがおそらく、ギフテッドの特徴である過興奮性(OE)の「知覚性の過興奮性なのかなと思います。

知覚性の過興奮性」とは、日々の生活での感覚の、見る、嗅ぐ、味わう、触れる、聞くなどの感覚が他の子供たちよりずっと増幅されたものとなるという特性です。

小学校入学以降も、人生初めてクルーズをしたときの絶景を見て涙をしたり、年を追うごとに様々な場面で出てくるようになります。味覚、触覚、聴覚、などは年を追うごとに顕著に特性が出てきました

よく知覚性の過敏な子がタグを嫌がったり触り心地を嫌がったりすると言いますが、息子はそういったことはありませんでした。しかし、爪を切る、耳かきをする、髪を切るということを極端に嫌がっていました。

逆上がりを難なくクリア

年中さんから幼稚園の放課後に行われる体操教室に通っていました。

運動することは好きだったので前転、後転、側転、逆立ちのような基本的なマット運動から、幼稚園児用の跳び箱も7段くらいは飛んでいました。鉄棒も得意でこの頃は連続逆上がりもできていました。

「ギフテッド児は運動が苦手」ということもたまに耳にしますが、息子の場合は小さい頃から、運動が苦手だなと思ったことはありません。
今も運動全般は好きで、とにかくやったことのないスポーツでも、頭を使いながら次はこうしてみようと考えながら習得します。ちなみに足は特別速いわけではありません。

何事も理解が早い

知育で取り組んでいたものは、のみでした。

時計も年長さんの頃には自然と読めるようになったので、時計に興味を持てば市販のワークなどを買ったこともありますが、特にこれといって早期教育はしていませんでした。

母親である私が「ギフテッド」という言葉も知らなければ、息子をギフテッドだと気づいていなかったこともありますが、早期教育に関しては興味もなく、知育もあれこれ調べて意識して取り入れているタイプではありませんでした。

ただしも月齢に合わせたものだとだんだん合わなくなり、1年先取りして受講をしていました。年齢で区切るのではなく、また、早期教育のためというよりは、わが子の成長を見ながらその子に合わせたものを与えるようにしていました。

取り組む中で、なんでも理解が早く、わからない問題があったとしても、1説明すれば10理解するようなことがよくありました。

文字は読めても字を書くのは苦手

ギフテッド児の幼少期の特徴としてよく言われるのが、就学前にひらがな・カタカナだけでなく、漢字や英単語を読み始めるという特徴。

息子も、好きなものをきっかけに(カタカナはカブトムシの名前を覚えたいために)読めるようになりましたが、書くことには興味がなく、卒園前に先生へのお礼のお手紙を書くために一生懸命練習して書けるようになりました。

女の子は年少さんの頃から、お友達とお手紙交換をしたりしていたので、娘のほうが字を書くのは早く書けるようになりました。

のちに、発達クリニックの先生から聞いたのですが、ギフテッドの子の特徴の一つとして、字を書くことが苦手な子が多いことを知りました。
当時、息子は筆圧が弱く、ミミズの這ったような字を書いていたので、なぞらずにうまくなる子どものひらがな練習帳で一緒に練習をしました。
この練習帳は、なぞるのではなく、見て書くという視覚に働きかけていく練習帳です。
書き方もイラストを交えながら、特に気を付ける箇所を、こどもにもわかりやすい表現で書かれており、文字に興味を持ち始めたお子さまにはおすすめです。

お金に興味をもち毎日人生ゲーム

習い事や用事がない日、幼稚園から帰ってきてまずやることと言えば、人生ゲーム(タカラトミー)のセッティングでした。
箱からボードを出して広げ、お金を並べ、セットしたところで呼ばれます。
1ゲーム終えるのになかなか時間もかかるのですが、下の子の相手もしながら何度も何度も人生ゲームに付き合いました。

マスの指示内容も漢字で読めなかったのでどうしても親の手が必要でした。そして「お金持ち」になれることがとてもうれしかったようで、当時の幼稚園の誕生日カードに書いてある将来の夢は「お金持ちになること」と書いてあります。なんとも現実的な夢で、その夢は今の夢でもあり、さらに壮大なものとなっています…。

そしてここでは感情の過興奮性」の特徴が出てきます
勝ったときはいいのですが、負けそうなときはもうこの世の終わりかのように大泣き、大騒ぎ、挙句ボードをひっくり返し試合放棄します。

オセロのようなものは手加減もできますが、人生ゲームは手加減といったことができないのでどうしようもありません。「負けを認める」ということを知ってほしかったので当時は一生懸命負けそうでも最後までやろう!と声をかけたりもしたのですが、うまくいきませんでした。

人生ゲームだけではなく全ての勝ち負けにおいて勝ちたいという勝ちへのこだわりがとても強く、負けず嫌いという形で今もなお残っています。

耳コピでトルコ行進曲・メヌエットなどを両手で弾き始める

ヤマハの幼児科に二年間通い、いつの間にか色々な曲が耳コピで弾けるようになりましたレッスンではエレクトーンで簡単な曲を弾く程度で、毎日の家での練習も10分するかしないかといったところでした。それがある日突然、電子ピアノについている自動演奏機能の音に合わせて、楽譜なしで弾くようになりました。


当時私は、ヤマハの幼児科に2年通えばみんな出来るようになるのかと思っていたのですが、周りの子はそうではなかったので、才能の部分が見えた瞬間でした。

元々2歳くらいから音を外さずJpopを歌ったりしていたので、耳がいいなと思ってはいましたが、2年間ヤマハに通っていく中でいつのまにか音の高さやリズムをとらえる感覚が身についていていたようです。

その反面、譜読みは苦手で、レッスン中「シ」の音が楽譜でどこの場所かわからくなって、突然大声で怒り始め、レッスンを抜け出すほど感情のコントロールができなくなったことがありました。この一度でしたが、そういった行動も発達について不安に思った要素です。

現在はJpop、洋楽、CMソング、駅メロ、など大体の曲は聴けば弾くことができます

この頃、仮面ライダーにはまっていたのですが、ベルトや武器が欲しくても買ってもらえないときは、自分であれこれ考えて家にある廃材などで作っていました。なければ作ればいい、といった発想は小学生の頃は継続し、何か欲しいものがあったときは、材料を揃えて猛烈に工作を一日中していることもあります。

困りごと

友達とのトラブル

息子は一緒に遊びたくてお友達にちょっかいを出して面白がっているのですが、相手が嫌がっていることになかなか気づけません。しつこく続けるので相手も怒ってしまい、殴られ殴り返したりとそこからトラブルに発展するというようなことがありました。

息子はこのサイトのタイトルにもあるように2Eタイプであり「人の気持ちを考える、人の気持ちを読む」ということが苦手です。

担任の先生に発達の相談もしましたが、目をみてちゃんと話が聞けるし、ギューッと抱きしめても嫌がらないし、そんな心配することはないと思いますと言われました

最近は、小さな子でもわかりやすく気持ちのコントロール、感情の取り扱い方について描かれた絵本がたくさん出版されています。こういう本が当時もあったら良かったのになあと今更ながらに思います。おすすめの絵本です。

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発表会で演奏中笑い続ける

幼稚園最後の発表会で、楽器の演奏中、終始横を向いてソワソワしながら体を揺らして隣の子と笑っていたことがありました。観客席から私は「頼むから前を向いて、じっとして!!!」と念じました。それが通じるわけもなく、そのまま演奏は終わりました。

この多動にも見えるソワソワした行動は、過興奮の一つ「精神運動の過興奮性」だったかもしれません。

感情が張り詰めると動かずにはいられなくなったり衝動的な言動や、不作法になったり、感情をあらわにすることがあるようです。興奮のために神経症的な癖(貧乏ゆすりなど)が出ることもあり、じっとしていることを強要される場を苦手とするようです。
幼稚園生活最後の発表会は感動すると聞いており、実際泣いている親御さんもいました。そんな中、私はというと、涙どころか苛立ちさえ覚えました。そして帰宅後私は息子に「なんでじっとしていなかったの!」という言葉を放ってしまいます。

この日に向けて練習を頑張ってきたことも知っており、本人もふざけたくてふざけていたわけではなかったと思います。なのに叱ってしまったこと、これは本当に反省しています。
きっと本人も褒められると思って帰ってきたはずです。これは私の未熟さゆえ、息子なら期待に応えてくれるはずといったような自分本位な思想がそうさせたのだと思います。

当時はなんでみんなができることができないのか?とできないことばかりに目がいっていました。

やっぱり発達障害?!と思い地域の療育センターを予約

そんな発表会後の卒園式では、1年生になって頑張りたいことをしっかり大きな声で発表し、静粛な卒園式中も特に目立った多動の様子もなく終えました。

しかしどうしても3年間の園生活を終えて不安が拭えず、一年生になる前の春休みに地域の療育センターに電話をしました。通常は数カ月待ちのところ、たまたま予約が取れ春休みに発達検査を受けることができました。その時の結果とADHDとの違いはこちら⇩

まとめ 親の対応と工夫

とても物わかりの良かった赤ちゃん時代から、一筋縄ではいかない感じの育児へ変わっていきました息子の5歳の頃の特徴として、以下のような特徴がありました。

・自然と文字を読めるようになる
・知識欲がすごく、過集中で没頭していることも
・自分の考えを筋道立てて話す
・知的に先行している反面、感情や社会性は年齢相応
・勝ち負けへのこだわり

「〇〇くん、すごいね!」と他のお母さんに言われたり、確かに同世代の子と比べて出来ることも多かったのですが、上記のように、多動や異常に勝ち負けにこだわるなど、ADHD、アスペルガー、自閉症スペクトラムに当てはまることが多くなってきます。

当時ギフテッドという言葉すら知らなかった私は図書館に通っては発達に関する育児本や「男の子の育て方」といった類の本を読み漁っていました。
きっとこの子は発達に問題があるに違いない!と思い込んで、その系統の本ばかり何冊も借りていました

そして何十冊もの育児本を読み、本の通りに対応策なども試してみましたが、それでも全部当てはまるような当てはまらないようななんかしっくりこない感覚がありました

発達凸凹・ギフテッド2Eは、その子の特性を理解することで、子どもが「自分らしさ」を保ちながら伸びていきます。今振り返ってみると、私自身、息子の特性を知ろうとするも、まだ理解するところまではいっていない、そんな状態だったと思います。

親の対応と工夫
  • 子どもの感受性を認め、過剰反応を責めない
  • 感情を整理する言葉を教え、表現の方法を学ぶ機会を作る
  • 興味関心・得意なことを伸ばす環境(音楽・創作・運動など)を用意する
  • 社会性・友人関係での困りごとについては先生と連携し、小さなトラブルの前に対話を持つ

ギフテッド2E児の場合、知的好奇心や感覚の鋭さと同時に、感情面や社会性が未発達のため困りごとが顕著になってきます。

5歳(年長)のギフテッド児は、知的に突出している一方で、情緒や社会性の発達は年齢相応のままアンバランスさを抱えがちです。家庭や幼稚園では、学びを広げるサポートと同時に、心の成長を支えることが重要だと思います。

ここから数年、ギフテッドという言葉に出会うまでは、育児に疲弊し、翻弄される日々でした。「ギフテッド」という言葉に出会ってからも、数年間はどうにもいかない育児に行き詰まってしまいます。

この5歳の2年後である2年生の終わりに、医師に

ギフテッドかもしれませんよ

と言われると同時に

このタイプの子は育児本通りにはいきませんよ、諦めてください

とも言われました。
当時はまだ出版されていなかったのですが、もしお子様がギフテッドを疑うようなことがあるのであれば「わが子がギフティッドかもしれないと思ったら: 問題解決と飛躍のための実践的ガイド」この本を一読されることをお勧めします。

この本には、今まで育てていく中で感じていた育てにくさや、人に相談してもなかなか理解されない悩み、私自身がもやもやしていたことなどがほぼ記してありました。

読み終える頃には「そうだったのか!」と納得すると同時にとてもすっきりするはずです。

「ギフティッド その誤診と重複診断: 心理・医療・教育の現場から」もギフテッドについての知識を深めるためには必須な1冊だと思っています。

こちらの本は、ギフテッドにもかかわらず、行動特性からADHD、アスペルガー症候群、反抗挑発症などの誤診をされたり、逆にギフテッドの才能ゆえに障害が見落とされるケースなど様々な例を取り上げながら約300ページにわたり記載されています。

この2冊がいまや私のバイブルとなりました。ギフテッドの傾向がある子供を育てているご両親、指導現場でそういった子と接している先生方、また医療現場の専門家の方にも是非読んでいただきたい本です。

【4歳】の様子はこちら

【6歳】つづきはこちら

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